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待ったなしの薬局のM&A促進と政府の戦略

以前の日本では、患者さんは病院で診療を受け、病院内で処方箋に基づいて薬を出してもらうパターンがほとんどでした。しかし国が国立病院を対象に医薬完全分業を指示した1997年以降、急速に分業が進み、全国のいたるところに薬局が誕生しました。
当初は経営も良好だったのですが、大型ドラッグストアの参入などによる競争激化と、店舗経営者の高齢化が進み、経営難に陥って近年閉局する店舗も出てきました。さらに厚生労働省は服薬情報の一元的かつ継続的把握や、24時間対応、医療などの情報を統合したICTインフラ整備を中軸とした患者さんのための薬局ビジョンを打ち出しており、経営規模が小さな店舗では対応が困難な事態になりつつあります。こうした中で閉局を回避し、譲渡側と譲受側を取り持った友好的なM&Aを推進するニーズが高まっています。

個人店舗が抱える問題点は経営効率化と後継者問題

大型ドラッグストアの参入などで個人店舗は苦境にあります。薬価差益の抑制とライバルの台頭、さらに薬剤師の不足など問題は山積しています。特に薬剤師の不足は小規模店舗の経営改善の足かせとなっています。
薬剤師一人当たりの処方箋枚数は法律で規定されているので、大きな収益を上げるには薬剤師を増やす必要がありますが、雇用は人件費の増大を招きます。経営効率が高くなるバランスの良い雇用は避けて通れない重要課題です。また事業を身内に承継するとしても本人が国家試験に合格しなければ経営的に成り立たないという問題も抱えています。
経営の効率化と後継者難を解決するのが専門企業が取り持つ友好的M&Aです。譲渡側の諸問題をクリアし、譲受側のメリットも生み出すマッチングは国民の健康保全の観点からも重要です。

M&Aの多様性と支払い方式の確認が重要

薬局を他社に譲渡しても自分はリタイアはせず、引き続き店舗で働きたいという希望を持つ方はいます。せっかく取得した国家資格を生かしたいとか、地域や店舗への愛着など理由はさまざまですが、こうした希望を叶える経営者残留型のM&Aがあります。
本人の生きがいを保ち地域貢献も果たす方式ですが、これを前提にする場合、譲受者もそれを容認する必要があるので、マッチングに際しては仲を取り持つ専門企業を含めた意思疎通が重要です。専門企業への支払い方式や支払総額を事前に把握しておくことも大切です。機密保持契約、企業評価締結といった業務途中に中間金が必要なケースもあります。譲渡側としては途中での支払いがなく、契約成立後に一括して支払う成功報酬型が助かりますが、最終的に支払総額がいくらになるかの算定も必須となります。

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