M&Aによる薬局の経営効率化が生き残りの重要戦略

比較的人口が多い都市部では、薬局の看板を見ることが多いです。医師は診療と薬の処方を行い、調剤、薬歴管理は処方箋に従って薬剤師が行う分業体制が進み、薬局は地域住民の健康を守る大切な役割を担う存在となっているだけに身近にあるのは便利で助かります。
厚生労働省が2015年に公表した2014年度衛生行政報告によると、2014年度末時点の店舗数は5万7784か所です。また、2014年12月末現在の国内のコンビニエンスストア数は5 万1814店舗です。つまりコンビニの数よりも多いことになります。それだけに店舗間の競争は激化しており、単独店ではさまざまな理由で経営に行き詰まるケースも増えています。今後は複数店舗のM&Aなどによって経営の効率化を図ることが、生き残るための重要な戦略となります。

低寡占市場だから経営統合による経営効率化が必須

この業界の大きな特質は大半が個人経営の小さな店舗ということです。大手調剤チェーンや大手ドラッグストアが占めるシェアはトップ企業でも約3パーセント、上位10社をトータルしても15パーセント前後で、いわゆるマーケットリーダー不在の低寡占市場です。
ただでさえ小規模店同士の競争が長い間続いてきた上に、大規模資本の参入が増大しているわけですから小規模店の経営は楽ではありません。政府の医療費削減政策に伴う診療報酬改定や薬価差益の縮小が進み、収益の落ち込みは共通の悩みです。経営の効率化は待ったなしの状況なのですが、薬局経営者と少数の薬剤師で賄う小規模店舗が単独で効果的な経営効率化を図るのは容易ではありません。このため、業務のICT化や人材確保にたけている専門企業による友好的M&Aが注目されています。

薬剤師の効率的雇用は経営効率化に寄与

薬局のM&Aが注目される理由は、小規模店舗だけでは容易ではない統合を実現して経営を効率化するノウハウを持つ専門企業が、着実に成果を上げているからです。
日本では薬剤師が絶対的不足で売り手市場になっているため、薬剤師は給与などの条件がいい店舗へどんどん移る傾向があります。小規模店舗は薬剤師に辞められ、補充は困難という難題を突き付けられます。薬剤師の一人当たりの処方箋枚数は1日40枚までと決まっているので、薬剤師が減れば減るほど総収益は落ちます。薬価差益の減少に加えて処方箋処理の絶対数が減れば経営が苦しくなるのは当然です。
薬剤師を適正数雇用して収支のバランスを保つのは経営効率化に直結するため、豊富な人材データを持ち、柔軟な運用ノウハウを持つ専門企業の活用が重要になります。

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