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加速する薬局のM&Aは後継者難も一因

中小企業庁が公表した2016年版中小企業白書概要によれば、日本の企業のうち中小企業数は99.7パーセントです。薬局業界と構造的に似ています。しかし一般的な中小企業であれば経営者が身内を後継者にするのは比較的簡単ですが、薬局の場合は大きな問題があります。
経営の効率化が大前提となっている現在の小規模店舗の場合、後継者になるには薬剤師国家試験に合格し、厚生労働大臣から免許を付与されていないと経営が厳しくなるからです。無免許であっても店舗を承継することは可能ですが、本人が薬剤師として働くことが許されない分、余計に薬剤師を雇用しないと必要な収益が得られず、雇用すれば人件費が増大するというジレンマが発生します。小規模店舗のM&Aが増えている背景には後継者難という問題があります。

後継者問題に立ちはだかる合格率7割の国家試験

厚生労働省が2018年3月に公表した第103回薬剤師国家試験結果によると、受験者1万3579人に対し合格者は9584人でした。合格率は70.58パーセントです。2012年時点での全国の届け出薬剤師数は28万52人です。毎年新しい薬剤師が約1万人弱ずつ増えているわけですが、引退する人もいます。
こうしたなかで、引退を考えている個人店舗の薬局経営者は、二つの大きな問題解決を迫られています。後継者となってほしい親族が何としても3割近くが落とされる国家試験にパスして薬剤師の免許を取得することと、引く手あまたの薬剤師を適正数雇用し、なおかつ簡単にやめて行かないような人事労務管理が必要なことです。身内がだれも合格しなくても自分は引退したいのであれば友好的M&Aという選択肢もあります。

閉局したい人と新規開業したい人のマッチングが重要

小規模薬局の後継者難など経営面が八方ふさがりであれば、M&Aによって店舗を存続させるのは一つの合理的な選択といえます。地域にとって通い慣れた店舗があるのはありがたいことです。長年にわたってビジネスパートナーとなっている門前医院や地域住民には不可欠な存在といってよく、後継者がいないからという理由で簡単に閉局しては社会的責任を果たせなくなることになります。
閉局したら、いくら募集が多い薬剤師でも自宅から遠方の店舗に転職するのは大変です。M&Aには多様な形があります。閉局したい経営者と新規開業したい人とのマッチングを図ったり、大型店舗との合併で一支店という形で存続させる手もあります。関係者が満足できる最適条件を導くノウハウを持つ専門企業に相談すれば後継者不在という問題を解決する道が開ける可能性が出てきます。

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